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東京地方裁判所 昭和44年(借チ)2017号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕(申立の趣旨及び理由)

一、相手方長谷川は、相手方伊藤から、昭和二一年頃東京都大田区東矢口三丁目二九〇番地一一八八坪のうち五〇坪を普通建物所有の目的で賃借し、申立人は、相手方長谷川から、昭和三四年九月一四日右借地のうち二三坪九合一勺(79.06平方米、以下本件土地という。)を相手方伊藤の承諾を得た上普通建物所有の目的で期間を定めずに転借し、同地上に家屋番号二九〇番の一七木造瓦葺平家建居宅一棟建坪六坪三合三勺(以下本件建物という。)を所有している。賃料は、昭和四二年四月一日以降一ケ月金一、〇三五円である。申立人は、右転借にあたり、相手方長谷川から転借地を二三坪ということで転借したが、実測では、右転借地の面積は二三坪九合一勺である。

二、申立人は、負債を返済するため、本件建物及び本件土地賃借権(転借権)を書籍業を営む主文記載の遠藤幸夫に譲渡したいと考えており、同人が右賃借権を取得しても相手方らに不利となるおそれがないのにかかわらず、相手方らは、右賃借権の譲渡を承諾しないので、その承諾に代わる許可の裁判を求める。

(当裁判所の判断)

一、本件の資料によれば、前記一の事実が認められ、申立人の有する賃借権(転借権)の残存期間は、昭和六四年九月一三日までということになる。

二、相手方長谷川は、本件建物は朽廃し、申立人の本件土地賃借権は消滅していると主張するが、いまだ本件建物が朽廃に達したとは認められず、また、申立人主張の転借権譲渡が相手方らの不利になると認められる資料はない。

三、そこで、本件申立は、これを認容すべきであり、当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に対し、財産上の給付を命ずるのが相当である。その額は、本件転借権価格の各7.5%とするのが相当である。本件資料によれば、借地権価格は、更地価格に二%の建付減価を行つたものの七割、転借権価格は、借地権価格の七割とし、本件土地の更地価格を坪当り金一六万円として、本件転借権価格を金一八四万円と評価するのが相当である。よつて、申立人が、相手方ら各自に対し、右価格の7.5%に当る金一三万八、〇〇〇円を支払うことを条件に本件借地権の譲渡を許可することとし、主文のとおり決定する。(小山俊彦)

目録

一、賃貸借契約の当事者

賃貸人  相手方長谷川

賃借人  申立人

二、賃借権の目的たる土地

東京都大田区東矢口三丁目二九〇番宅地一一八八坪のうち二三坪九合一勺(79.06平方米)

三、契約の目的

普通建物所有

四、存続期間

昭和六四年九月一三日まで

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